バージョン情報

バージョン18 主な新機能

配座に関連する新機能
自動化された多段階配座解析
正確なボルツマン分布を得ることができる多段階計算が導入されました.
MMFF法,Hartee-Fock法,密度関数モデルを結合してボルツマン分布を求めることができます.B97M-V/6-311+G(2df,2p)[6-311G*]エネルギーとB3LYP/6-31G*基底関数,または,wB97X-V/6-311+G(2df,2p)[6-311G*]エネルギーとωB97X-D/6-31G* 基底関数の組み合わせで計算されます.基底関数とエネルギーを求める理論モデルに関して,ユーザーがカスタマイズすることが可能です.

NMRに関する新機能
可動分子に対する自動化されたNMR
配座解析と同様、可動分子に対してボルツマン平均NMRスペクトラムを計算する自動化された多段階計算を行う新たな機能が追加されました.経験的に修正されたB3LYP/6-31G* or wB97X-D/6-31G*モデルによってNMR化学シフトが計算されます.
DP4の導入
Goodmanによって提唱されたDP4解析が可能になりました.B3LYP/6-31G*またはωB97X-D/6-31G*モデルのいずれかを使って,計算されたNMR化学シフト,若しくは,実験的なNMR化学シフトが立体異性体または構造異性体(またはそれぞれの異性体のボルツマン平均NMR)の候補の中でどれに一番適合するかを決定することができます.
カップリング定数
これまでのSpartanでは,ビシナル(3-bond)HHカップリング定数の推定に拡張されたカープラス式を用いていました.Spartan’18では,ジェミナル(2-bond)、ビシナル(3-bond)、遠隔(4-bond以上)のHH/CH/CCカップリング定数について,すべてフルに計算する,若しくは,フェルミ接触相互条件のみを使った計算をすることができます.
より正確かつ長い範囲のHHカップリング定数を使うことにより,前のバージョンに比べてより現実的な2D COSYプロットを得ることができます.また,CHカップリング定数は2D HMBCプロットの計算を可能にします.
前のバージョンとの互換性を担保するために,カープラス式を用いたビシナル(3-bond)HHカップリング定数を計算させることも可能です.
GUIに関する新機能
3D構造から2Dスケッチへの変換
3D構造から2Dスケッチへの変換が可能になりました.これにより,従来SSPD内に提供されていた2Dスケッチのライブラリーが置き換わられ,ユーザーが追加するどのような有機化合物でも2Dスケッチを得ることができるようになりました.生成された2Dスケッチはスペクトラムやプロットにコピー・ペーストすることができます.
 
出力ファイル
サマリーアウトプットダイアログが変更され,NMR化学シフトとカプリング定数の表やIRとRaman振動数・強度,UV/可視光吸収振動数・強度をそれぞれ独立にPDFファイルとして保存することができます.また印刷することもできます.

その他の重要な変更
エネルギーデータベース
Spartanのスペクトル及び特性データベース(The Spartan Spectra & Properties Database(SSPD))は、ωB97X-V/6-311+G(2df, 2p)エネルギーモデルにより計算された結果を含むようになりました.これらは既存のωB97X-D/6-31 G*モデルに比べ,より正確な反応エネルギーを提供します.
これらのエネルギーは,プロパティーダイアログや反応ダイアログからも入手可能です。
反応ダイアログ
反応エネルギーを計算する際に反応ダイアログでSSPD内のωB97X-V/6-311+G(2df,2p)エネルギーに基づいた計算ができるようになりました.
また,反応エンタルピーやGibbsエネルギーを推測するために,EDF2/6-31 G*から計算された振動データを使うこともできます.
並列計算性能の強化
並列計算は共有メモリー振動数計算を含むようになりました.計算性能は,8コア以上のシステムで改善されました.
化学シフトラベル
実験的なNMR化学シフト並びに,ボルツマン平均化で計算された化学シフトと実験的な化学シフトの差に対するラベルが使用可能となりました.